サステナブルツーリズムの国際的な認証地にも選出されている釜石の取組みや、その根底にある「マネジメント」の考え方についてお伝えします。また、サステナブルツーリズムの考え方を取り入れたプログラムを体験できます。
釜石は、観光を通じた震災復興の実現を目指すうえで、復興にとどまらず、将来に亘り釜石らしさを維持した地域づくりを目指しています。
サステナブルツーリズムの考え方を導入した観光地域づくりは、観光客だけでなく、地域住民の双方に配慮し、また、地域の社会経済の発展や環境・文化の保全を通して、持続可能な地域を実現していく考え方です。
したがって、サステナブルツーリズムに取り組むことは、釜石が目指す地域づくり、すなわち、「持続可能な地域づくり」そのものであるため、釜石は、サステナブルツーリズムの推進に取り組んでいます。
「持続可能な観光地」 の実現を目指している釜石は、2016年より、「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」の国際基準(GSTC)を取り入れることを決定し、取組みを続けてきました。
(具体的な取組み)
観光地マネジメント(全体計画策定、運営管理、モニタリング等)
観光従事者を増やす活動(体験プログラムの企画、インストラクターの養成など)
釜石小中高校への観光教育の実施
地域商社事業による、食材の地域調達率を上げるための活動(釜石ジオ弁当、さんりくジェラート)
津波の伝承活動、および防災教育への取り組み
森林クレジットの購入による、来訪者へのカーボンオフセット
プラスチックを使用しないイベント開催
岩手大学、東京大学海洋研究所と連携した、学習プログラムの企画運営
廃食油を活用した社用車の利用(バイオエネルギーの活用) など。
これらの取組が評価され、釜石市は、2018年、日本で初めて「世界の持続可能な観光地100選」に選出されました。また、2019年に、「グリーン・デスティネーションズ・アワード」ブロンズ賞を日本で初めて受賞しました。
その後も、サステナブルツーリズムの推進に取り組み続け、5年連続で「世界の持続可能な観光地100選」に選出され、「グリーン・デスティネーションズ・アワード」シルバー賞を日本で初めて受賞しました(2022年12月現在)。
このプログラムでは、サステナブルツーリズム(観光SDGs)の国際的な認証地にも選出されている釜石の取り組みや、その根底にある「マネジメント」の考え方についてお伝えします。
SDGsをさらに理解し、日々に取り入れるためのヒントを得られるはずです。
所要時間:1時間30分
主な流れ:-
必要なもの:特になし
定員:3人以上|最大20人まで
会場:未定
対応言語:日本語
株式会社かまいしDMC 代表 河東英宜氏
釜石市の観光を担う観光地域づくり法人、株式会社かまいしDMCの代表。「地域の稼ぐ力を引き出す」という使命のもと、オープン・フィールド・ミュージアムという観光コンセプトや、観光SDGsの推進に注力しています。2021年観光庁長官表彰など、受賞実績多数。法人運営や、SDGsへの取り組みなど、幅広い話を聞くことができます。
近頃では、海洋中にマイクロプラスチック が含まれていることも分かってきており 、 きれいな海を将来に残していくことが求められています。
本プログラムでは、岩手大学釜石キャンパスの協力のもと、釜石の海で 実際に漁船に乗って海水を収集し、 顕微鏡でマイクロプラスチックの確認に挑戦します。そして、確認したマイクロプラスチックから、海洋環境の変化や要因を紐解いていきます。観光をきっかけに、日々の行動を変え、きれいな海を守っていきませんか。
震災後に発生した大規模な山火事で、多くの林業に携わる人が生業を失いました。しかし、誰しもが諦めそうになった中でも、釜石の人々は助け合い、山を、林業を復活させました。多くの釜石の木材が活用された釜石鵜住居復興スタジアムは、釜石の人々の助け合う想いが形になったシンボルです。
林業の現場に目を移すと、樹木の伐採のときに発生した枝や葉といった林地残材が多く山に残され、水産業への影響も懸念されています。持続可能な社会の実現のため、林地残材を活用した釜石製鉄所での木質バイオマス発電の取り組みが進められています。
本プログラムでは、釜石の山を知り尽くした「釜石地方森林組合」の協力のもと、実際の伐採現場で枝や葉を収集し、収集した木材から生成できる木質バイオマスエネルギーについて学びます。そして、普段の生活の中でのエネルギー消費と向き合い、森林と自然を守るために普段の行動を変えることを目的にしています。